2010年05月01日

あま〜い甘草!

前回は「甘草」について書きました。今回ももう少し甘草について書いてみたいと思います。

甘草マメ科カンゾウの根を乾燥したものです。日本での栽培はほとんどなく、主な産地は中国、ロシア、スペインなど。日本には奈良時代に遣唐使によってもたらされ、奈良の正倉院には当時のものが現存します。

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甘草


甘みが強く、日本には薬用より甘味料として輸入される量の方が多いです。甘草の年間輸入量は約8000トンにも達しますが、そのほとんどが醤油、菓子などの甘味剤としてであり、薬用とされるのはそのうちわずかです。


甘草の作用としては、鎮咳、去痰、鎮痛、消炎作用があり、多くの漢方処方に配合されています。処方の中での作用がいま一つはっきりしない甘草ではありますが、江戸時代に吉益東洞によって書かれた薬徴という書物に、「急迫を治す」という作用が書かれていて、それが一番甘草の役割をはっきり表わしているのかなと思います。


主な成分としてグリチルリチンが有名ですが、のどの痛みなどを緩和する目的で、いわゆる消炎作用を目的として甘草を利用する場合は、このグリチルリチンが必要です。傷寒論では甘草をほとんど炙という修治、つまり火であぶった処理を施したものを使いますが、のどの痛みに使う甘草湯と桔梗湯だけがその処理をしていない甘草を使います。つまり、のどの痛みに甘草を使うときは、その目的が消炎であるため、グリチルリチンをこわさない、炙という修治をしていない甘草を使い、消炎作用を目的としないときは、グリチルリチンが邪魔なため、炙という修治をして、グリチルリチンを壊していると言うことができます。ちなみにグリチルリチンは皮のすぐ内側に多いため、炙は甘草を切らずに外皮を火であぶって、グリチルリチンを破壊します。
グリチルリチンは分子構造がステロイドに似ているため、多量に服用すると偽アルドステロン症といって、むくみなどを起こすので、一度に多量に服用しないでください。一般の漢方処方の2〜3g程度なら問題ありません。4gを超えないようにした方がいいです


統計の数字などは、確実なものではありません。ご意見、訂正などございましたら、遠慮なくコメントしていただければ、うれしく思います。

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posted by ゴン at 23:22| Comment(0) | TrackBack(1) | 生薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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