2011年01月03日

お屠蘇は漢方処方

新しい年が明けました。今年もよろしくお願いします。お正月はゆっくりされましたか。お正月に欠かせないものにお雑煮やおせち料理がありますが、漢方に関係するものとしては屠蘇があると思います。地方によってはあまりしないところもあるようですが、2011年の一回目は、屠蘇について書いてみようと思います。


屠蘇(とそ)は、一年間の邪気を払い長寿を願って正月に呑む薬酒です。昔から、「一人これを呑めば一家病無く、一家これを呑めば一里病無し」と言われ、正月の祝いの膳には欠かせないものとなっています。「屠蘇」とは、「蘇」という悪鬼を屠(ほふ)るという意味です。数種の薬草を組み合わせた屠蘇散(とそさん)を日本酒に味醂や砂糖を加えたものに浸して作り、小・中・大の三種の盃を用いて飲みます。飲む人の順には地域間で差がありますが、年齢の若い者から順に飲むのが正式です。これは中国の習慣からきたもので、若い者が毒味をするという意味がありました。しかし日本では、明治もしくは昭和初期に家長から飲むことも行われるようになったようです。


屠蘇散は、一説には三国時代の名医・華佗の処方によるものと言われています。その処方は色々ありますが、『本草綱目』では赤朮・桂心・防風・抜契・大黄・鳥頭・赤小豆を挙げています。現在では猛毒の鳥頭などは使わず、山椒・細辛・防風・肉桂・乾薑・白朮・桔梗などを用いるのが一般的です。健胃薬としての効能があり、初期の風邪にも効きます。正確には、白朮(オケラ)の根、蜀椒(サンショウ)の実、防風(ボウフウ)の根、桔梗(キキョウ)の根、桂皮(ケイヒ)の樹皮(肉桂:ニッケイ)、蜜柑(ミカン)の皮(陳皮:チンピ)、鳥兜(トリカブト)の根(烏頭:うず)、大黄(ダイオウ)など、身体を温めたり、胃腸の働きを助けたり、あるいは風邪の予防に効くと言われる生薬を含みますが、作用が激しいトリカブトやダイオウは使われません。


正月に屠蘇を呑む習慣は、中国では唐の時代に始まり、日本では平安時代からと言われています。宮中では、一献目に屠蘇、二献目に白散、三献目は度嶂散を一献ずつ呑むのが決まりでありました。貴族は屠蘇か白散のいずれかを用いており、後の室町幕府は白散を、江戸幕府は屠蘇を用いていました。この儀礼はやがて庶民の間にも伝わるようになり、医者が薬代の返礼にと屠蘇散を配るようになりました。現在でも、薬局・薬店が年末の景品に屠蘇散を配る習慣として残っています。基本的には関西以西の西日本に限られた風習であり、他の地方では、単に正月に飲む祝い酒(もちろん屠蘇散は入っていないただの日本酒)のことを「御屠蘇」と称している場合も多いようです。

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posted by ゴン at 23:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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